永遠の約束(深青編-序章-)





でも、そう感じると大也にはごくありふれた光景の中で1点だけ違和感を感じることがあった。




2人の姿は仲良く語りあっている教師と生徒のように見える。


だけど、いくら仲が良くても手をつなぐとは思えない。


(え?)


と、思っていると前を通りがかった教師と大也は目が合う。


「まだ、残ってたのかい? もう、遅いから早く帰りなさい。………君もね」


大也に言った後、教師は一緒にいた少女にも優しく微笑んで諭す。


「………さようなら」


名残惜しそうに彼女はもう1度教師の方を見る。


大也にはその光景があまりにも不自然に思えた。





だが、教師は何事もなかったように職員室の方へと歩きだした。


そこに後ろめたさも動揺も見られない。


(見間違い?)


大也は首を傾げながら、結局家路へと着いたのだ。





その後深く考えることもなかったため大也の頭からこのことはすっかり忘れ去られていた。











そして、今日に至ったのである。













< 128 / 190 >

この作品をシェア

pagetop