永遠の約束(深青編-序章-)
『……………………は?』
一瞬の沈黙の後、深青と優奈は声を合わせて大也の顔を見る。
大也の表情は2人の予想通りの反応に満足そうな顔をしていた。
だが、そんな優越感は一瞬にして終わる。
「どうして、さっさと言わないのよ。こんの馬鹿!馬鹿馬鹿馬鹿馬鹿バカー!」
優奈のこれ以上ないというほどの怒りを込められた『馬鹿』攻撃に責められたのだった。
初めこそ馬鹿攻撃に圧倒されていたが自分の正当性を思いだし、大也は反論する。
「なんだよ! 俺は一言も覚えてないなんて言ってないだろ! 勝手にお前たちが決め込んでただけだろ!」
「う………、それは………。だけど、それならどうして早く言わないのよ!」
「………だ~から、何度も言おうとしたのをずっと無視して聞いてなかったのはお前たちだろ! 俺は何度も言おうとした」
優奈は先ほどまでの光景を思い出し、反論できずに唇を噛む。
全く、大也の言ったとおりである。
優奈が大也に言いくるめられるのを見届けてから深青は口火を切った。
「まあまあ、2人ともこれぐらいでいいかな?本題に入りたいんだけど………」
あまりにも冷静な深青の言葉に子供じみた言い争いをしていた優奈と大也はお互いに顔を見合わせ罰の悪そうな顔をする。
「ねえ、その教師って一体誰?」
そんな2人の様子に全く気づかず、深青は疑問をぶつける。