永遠の約束(深青編-序章-)
トゥルルルル。
「まもなく2番線に電車が入ります」
電車が来る合図が鳴る。
2人は電車が来る方を見て待つ。
グレーの車体の電車がゆっくりとガタンゴトンと音を鳴らし入ってくる。
「これからは、この電車に乗って毎日通学。はあー、先が思いやられるよ。めんどくさいよね」
「まだ、初日だよ。優奈、不満が早すぎ」
電車に乗りながら、優奈の不満に苦笑で返す深青。
「だってさ、中学校は近くにあったからそれになれちゃってるんだよね。なのに、いきなり電車に乗らないと行けないような学校なんて………つらい。その分、早く起きなきゃいけないし………。わかるでしょ?深青だって」
「そりゃね。でも、仕方ないよ。もう決まっちゃったんだもん」
「うう………。」
深青の正論に返す言葉もない優奈。
めずらしく優奈が言い含められた。
そんな小さな優奈の嘆きを乗せて電車は進んでいった。