永遠の約束(深青編-序章-)
「湯川先生いらっしゃいますか?」
ノックをし、ゆっくりと第2生物室のドアを開ける深青。
そこに返事はなく、深青はゆっくりと教室の中へと入っていく。
「馬鹿っ! 奥まで1人で入っていったら危険だろっ!」
身を乗り出し、おもわず後を追いかけようとする大也のシャツを優奈は引っ張って止める。
「馬鹿はあんたでしょ。大勢で行くと油断させれないから、深青が1人で行くって言ってたでしょ。だからこそ、こうやってこっそり覗いているのにばれたら元も個もないじゃない」
優奈は小声で怒る。
こっそり、覗いていること事態、すでに充分ばれる危険性はあると思うのだがそこは関係ないようだ。
もちろん、深青が3人が後をついて来ていることを気づいていないわけがなく、何も言わないのは、言っても仕方がないと思っているからだろう。
「それに、はっきり言って、私たちが行ったほうが足で纏よ。深青1人のほうが余計な足かせがなくて上手くやるわよ。心配することないって」
「そうだよ、大也。どうせ、あたしたちが行っても何の役にも立てないんだから任せるしかないわ。ねっ?」
優奈とみゆきに諭されるが大也は納得していない様子だ。
だけど、2人が言うことはもっともで、反論する余地もない大也はただ、歯を噛み、我慢するしかなかった。
一方、深青は………。