永遠の約束(深青編-序章-)
「しっ!」
いきなり、深青が口に指を置き、3人に黙るように促す。
3人は言われたとおりに黙る。
すると、深青はこっそりと壁から顔を覗かせ、第2生物室のほうを見る。
「どうしたの?」
その様子に優奈が深青の耳にこっそりと囁く。
深青は顔を第2生物室に向けたまま、小さな声で教える。
「早速、動き出した」
「湯川が?」
その問いには深青は頷くだけで答えとする。
優奈たちはお互いに顔を合わせ、硬い表情になる。
だけど、どうすることもできず、深青の次の言葉と行動を待つ。
「よし! 後つけよう」
深青は湯川の後を追おうと先へと向う。
だが、思い出したかのように振り返り3人を見る。
「ごめん。やっぱり、待ってて。何かあると困るし、あんまり大勢だとばれちゃいそう」
そう言いながらも深青は湯川の動向を視界の端におさめていた。
「え――――! 納得いかない」
優奈は不満を表す。
その後ろで大也とみゆきも頷く。
「だけど、危な………………」
言いかけていた深青は、急に驚いた顔をする。
その顔に優奈は深青の視線を追う。
ゆっくりと振り返り、見えた先には………。
「一条香織………」