永遠の約束(深青編-序章-)
香織はにやっとすると、深青から視線を外し、後方にいた優奈たちへと視線を向ける。
それと同時に香織が立つ位置に字のような模様が浮かび上がり、一瞬にして手をかざした香織の手から光の玉が発射された。
光の玉は勢いよくまっすぐに飛び、相手に向ってスピードをゆるめずに突き進む。
深青は自分のすぐ真横を通りすぎた光の玉を目だけで追う。
その姿が香織には気に食わないようだ。
ぎりっと口をゆがめたが、一瞬で笑みを浮かべる。
バンッ!!!
大きな衝撃が後方で起こる。
そこは優奈たちが居た場所だった。
だが、その光景にも深青の様子は変わらない。
ただ、香織にも聞こえるほどの大きなため息を吐いただけだった。
「やはり…………。あなたに霊力はないのね」
香織は驚きもせず、ただ眉を顰めた。
「…ハハ……、一体、何を言ってるの? あなたは……。今、見たでしょ? あたしの力を! その力のせいで、あなたのお友達がとんでもないことになっていることも」
「ええ。見たことは見たわ。まあ、お友達はとんでもないことにはなってないけど……」
冷静に言う深青の言葉で香織は優奈たちがいた場所を目を凝らして見る。