永遠の約束(深青編-序章-)
「…ハァ。何を勘違いしているのか……。まあ、いいわ。私は神社の娘。だから、昔からこういった力を持っている。それだけよ」
間違いもなく、嘘も言っていない。
ただ、大分と縮小した説明だ。
それを、湯川は真に受けるのか……。
「神社……。ハハ……、そうか。それなら、仕方あるまい。神社は神聖な領域だと言われているからな。その血を受け継ぐものならそれなりの力を持つのもわかる」
なんと、納得してしまった。
そんな湯川を見て、深青、優奈、大也、みゆきの4人は一斉に目を細め、思った。
「馬鹿……」
と……。
そんな蔑んだ目で見られていることすら湯川は気づきもしなかったが……。
「フゥ~。もういいわ。それにしても、この一連の事件はどうして起こしたわけ? もう、全て話してくれてもいいわよね」
深青は大きく息を吐き、湯川の顔を見る。
深青のことを恐れていた湯川だが何が拍子になったのか今では余裕に満ち足りている。
「まあ、どうしてもというのなら、教えてもいいが……」
湯川は上目遣いで深青を見る。
その目を見て、ますますしらけてしまう深青だが、ぎゅっと目を瞑り、全くの棒読みで台詞を言った。
「どうしても知りたいので、お願いします」
その台詞に大満足のようで湯川はますます、調子を戻す。
それを見て、深青は内心思う。
(本当に馬鹿なんだ)