永遠の約束(深青編-序章-)
「どうして………、あたしを助けたの? 湯川を助けたの? あのまま術返しにあってあたしたちは死んだほうがよかったのに………。死んだら……あたし、ず~っと先生と一緒だったのに! どうして!」
香織は涙を流しながらキッと深青を睨む。
そして、急に立ち上がり強い力で深青の両肩を掴む。
その光景を見た優奈たちは危険を感じ、深青たちのほうへと走りより止めようとした。
だが、それは深青の声で止められる。
「死んだら………一緒にいれるの? どうして、そんなことわかるの?」
深青の芯のこもった声に香織はビクンとする。
ただ、涙にぬれた大きな目を大きく見開き、深青を見つめる。
「死んだら………終わりなんだよ。やり直しはきかない。死んだ先のことなんて誰にもわからない。だからこそ、人は生きるのよ。確かに、今のあなたは生きるのもつらいのかもしれない。私にはあなたの心のうちまではわからないから軽くは言えないけど、でも、あんなやつのせいでこれから長い人生棒に振るのはもったいないよ」
「………あなたにはわからない。あなたにとっては最低なやつでもあたしには………ただ1人、あたしがつらい時に救ってくれた人なの。たとえ、それが利用するためでも! あたしには先生が全てなの。先生がいない人生なんて意味がない………」
遠巻きに見ていた優奈たちは悲哀な表情を浮かべてしまう。
何を言っても香織には湯川が全てだった。
自分で利用されててもいいと思っていたのだ。
それほどまでに思っていた相手に何を言っても無駄なように優奈たちは思った。
救えない………。
そう思った。
だが――――。