永遠の約束(深青編-序章-)
「ありがとう………。ごめんなさい。あたし………、やり直せるかな? もう1度………」
泣きはらした目に微かな笑みを浮かべながら香織は戸惑いながら一言ずつ噛み締めるように話す。
その笑みに返すように深青も笑みを浮かべながらも厳しい答えを返した。
「さあ………。それは、一条さん自身の気持ちによると思うよ。あなたが呪術を使ったという事実は消せないし、忘れてはいけない。罪を背負いながら生きていくのはとてもつらいと思う。だけど、間違いを気づいたのならそれを糧に生きていくこともできると私は思うよ。がんばってとは言わない。がんばるのは一条さん自身。そう決めるのも一条さん自身だよ。幸せになれるかは一条さんしかわからないと私は思うから」
深青はこれからの助言も何も香織には与えない。
甘やかさない。
自分自身で決めて生きろと言う。
それは、大也とみゆきには酷なように思えた。