永遠の約束(深青編-序章-)
「罪の意識を背負いながら生きるなんてつらいよ………。どうして、深青ちゃんは優しい言葉をかけてあげないの? わざわざ、間違いを強調するようなことを言う必要ないのに………。こんなことなら、一条さんはあのまま死なせてあげてたほうがよかったんじゃ………」
「深青はちゃんとわかってるよ。一条さんにとって厳しいことを言っているって。だけど、自分で乗り越えていかなくてはいけない。それは経験している深青だから、1番わかってるんじゃないかな」
「経験してる………って?」
優奈の言葉にみゆきだけじゃなく大也も反応する。
「如月には他にも何かあるのか?」
優奈は失言したと舌を出す。
まさか、意外な反応をされるとは………。
それも2人同時に。
だが、このことは深青自身が2人に話していたはずだ。
だから、いいかと優奈は話し出す。
「2人とも聞いたよね。深青がお父さんを亡くしているのを………」
「あ、うん」
2人は思い出したように同時に答える。
「目の前で父親を亡くした深青は、今でこそ普通だけど、その時は口も利けずに心自体が壊れてしまったのではないかと思う状態だった。………私たちがどんなにがんばろうとしても無理だった。結局、今の自分を取り戻したのは深青自身だったってわけ。だから、わかってるんだよ。どんなに周りが助けようとしてくれようとも最後に変えるのは自分自身でしかないということを………」
優奈の言うことはわかる。
深青がそんな状態に陥っていたことにも驚いたが、やはりみゆきは納得できないことがある。