永遠の約束(深青編-序章-)
「……うっ………」
どうやら図星のようだ。
大也は言い含められてしまった。
「すごいね」
こっそりと2人のやりとりを見ていた優奈が深青にこっそりとつぶやく。
「……うん」
深青も内心苦笑いをする。
(あの優奈がすごいと思っていること自体が私にはすごいと思うよ)
深青の中では優奈以上に強い人がいるとは思えなかったのだ。
それは、いつも傍にいた深青だからこそ言えること。
「ごめんね。こいつの変な勘違いのせいで嫌な思いさせたでしょ。だけど、根はいいやつだから仲良くしてやってよ」
(なんだか優奈とキャラがかぶってるような気がするんだけど………)
妙に優奈とダブるところがあり深青はなんともいえない気になる。
「あたし、篠田みゆき。隣の2組なの。これからもよろしくね」
「はい。如月深青(きさらぎみお)です」
「………夏川優奈(なつかわゆうな)。よろしく」
2人とも勢いに押されて名前を言えるのがやっとの状態だ。
「大也。おばさんと家のお母さんが待ってるから行きましょ。それじゃ、また明日」
みゆきは大也の返事を待たずに大也の腕を引っ張っていく。
大也は引っ張られながら深青と優奈に「じゃあな」とだけ、言って帰っていった。