永遠の約束(深青編-序章-)
「すごい、この私が圧倒されることなんて中々ないよ」
優奈は2人が消えて行った廊下を見つめ、呆然とする。
「私も、まさか優奈が勢いに押されることがあるなんて初めて知ったよ」
「それって、何気に失礼よ。深青」
「ごめん、ごめん。でも、本当にびっくりしたんだもん。今までの付き合いでこんなことってなかったし………」
「まあね。とうの私自身が1番驚いてるのかも………」
優奈はムッとした顔をしながらも、しかたないかぁとため息をつきながらつぶやく。
「でもさ。あの子、正木のこと多分好きだよね。なんとなくだけど………」
優奈の突然の言葉に深青は一瞬見せたみゆきの表情を思い出す。
「たぶん………。優奈、もしかして、正木くんのこと本気で好きになったとか………ないよね?」
頷きながら、教室に入って初めて話した時のことを思い出し深青は慌てふためく。
だが、もっと驚いたのは聞かれた優奈のほうである。
「はい~? そんなことあるわけないじゃない。さっきのこと言ってるならそれは本当に友達としてだからね。異性としてなんてありえない」
「そっか、そうだよね。優奈がひとめぼれしちゃったのかと思っちゃった。別にあってもいいんだけど、いきなりライバルがいる人だと初心者としてはハードル高いんじゃないかなと思って。」
深青はホッと胸をなでおろす。