永遠の約束(深青編-序章-)
「いや………、ちょっとな、何か視界に入った気がして」
「ふ~ん」
大也は隠したいのか急に話題を変えようとする。
「それよりさ、俺ずっと気になってたんだけど、その鈴。いつも付けてるけどお守りか何かなのか?」
「え?」
予想外の話題に深青は戸惑う。
そして、ゆっくりと鈴を見る。
ちりんちりん。
昔よりも少し鈍くなってきた音。
明らかに新品には見えず、長い年月が経っているということがわかる外見のくすんだ色。
高校入学の時に買ったとは思えなかったのだろう。
そうすると、中学の頃から付けているのをわざわざ使っているということは大事なものなのかと思うのが普通だ。
それも、見た限りかわいいとも言えないような普通の鈴。
誰だってそう思うのかもしれない。
「もらったものなの。昔………」
大也はそう言った深青の顔がすごくきれいに見えた。
今まで話していた深青の顔とはまるで別人のような。
「私も鈴がすごく好きだし、ずっと持ってるからなんだか離せなくなっちゃって」
さっきのは見間違いではないかと思うぐらい、いつもの深青の顔に戻る。
大也はなんだかそれ以上は追求できないような気がした。
それに、そんな大したものではないのが本当で、逆に根堀葉堀聞くのも悪い気がする。