永遠の約束(深青編-序章-)






深青は一瞬だが、どきりとする。


別に言ってもいいものだがなんとなくごまかしてしまった。


それは心の奥深くでやはり大也のことを疑っているという罪悪感も深青は持っていた。




悪いと思いながらも、まだ浅い付き合い。


信じられるまでは下手なことは言えないし、見せられない。


ちょっとのことが悪い方向へ行ってしまったら………。


そんな悪い方向へと考えをめぐらせてしまうのだった。







 深青は先ほど見た大也の様子を思い出す。


明らかに霊は見えていた。


低級霊だから少し霊感の強い人間なら見えてしまう。


だから、それほど心配はない。


だけど、あの合格発表の日に見たというのなら、並大抵の力ではない。





現に、深青は周りには見えないように結界を張っていたのだ。その結界の中を見ることができるのはそれなりの力を持つものだけ。




だからこそ、深青と優奈は大也を疑ってしまうのだ。




だけど、わざわざ自分の力を示すようなことを言うのも気にかかる。


普通は隠すが、言うということは全く何も考えてないのか………。


それとも逆か。


並大抵の力でない力を持つものが、日常的にそんなにごろごろといるようなものでもない。


それが、いきなり会うなんて………。


偶然と言ってしまえばそれだけのことだが、亡くなった父のことがある深青にはそんなに簡単には思えない。


そして、そのことを知っている優奈もまた同じように疑ってしまうのだ。




現に、優奈は深青のことを心配して高熱があるにもかかわらず、学校へ行こうとしていた。


それほど思ってくれる優奈の気持ちをうれしく感じた深青だが、無理をさせたくなくて優奈に休むように念を押したのだ。





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