永遠の約束(深青編-序章-)
「早く、乗れよ」
大也が腰を下ろして、みゆきをおぶろうとする。
その行動に1番驚いたのは深青でもなく優奈でもなくみゆき自身だった。
今は喧嘩をしている2人だ。
いつもなら、なんなく大也に頼るのだがみゆきはためらう。
それにじれた大也は強引にみゆきの手を引っ張り無理やり自分の背に乗せる。
そして、急いで走り出したのだ。
その後を深青と優奈も走ってついていく。
「ごめんね、大也」
みゆきは大也に謝る。
その謝ったことが何をさしていたのか深青と優奈はわかる。
「何言ってんだよ。大事な幼なじみなんだから助けるのは当たり前だろ。俺こそごめん。あの時、ちゃんと聞いてあげなくて。本当にごめんな」
みゆきが謝ったのは背負ってもらっていることだと大也はとったようだ。
つくづく鈍い男だと深青と優奈はお互いに顔を合わせて笑う。
「爆発のおかげで無事仲直りできたみたいね」
優奈はみゆきの背中をぽんとたたく。
「雨降って地固まるってやつ?」
おどけた調子でいう優奈に大也は足を上げて蹴ろうとする。
「うるせえ!」
久しぶりに4人で笑った。
それが、深青にはうれしかった。
「2人とも心配かけてごめんね」
「いいっていいって。それに、私、今日来たばっかりだからさ、何もしてなかったし」
みゆきの謝りに優奈は笑いながらおでこをたたく。