永遠の約束(深青編-序章-)

聞きなれない言葉に大也たちは聞き返す。


まあ、一般的に使われていても怖い言葉だが。


「うん。言ってみれば呪いかな。だれかを恨んでその人に災いが訪れるようにね」


「一体誰に! そんな」


青ざめた顔でみゆきは聞く。


小刻みに体が震えているのが深青にも見て取れた。


「わからない………。大体は、そこに名前とかを書いておくんだけど爆発でなくなってしまったみたい。でも、呪法が行われた後だけは残っていた」


「そんな…………。でも、それがどうして大也?」


何者かわからないのにどうして大也が狙われているとわかったのかみゆきは疑問に思う。


「それも、決定的なものは何もわからなかった。学校ではね。でも…………、正木くんはさっき襲われた。それが、私の予想を確信に変えてしまった………」


「襲われたって? 大也?」


みゆきにとっては寝耳に水の話だったのだろう。


信じられないといった顔で大也を見る。


「さっき、自分の部屋で………。如月が来てくれなかったらやばかった。本当、助かったよ。サンキュ」


大也は途中、首を左右に振りながら深青に礼を言う。


その様子をみゆきは複雑な表情で見ていた。


目の端にみゆきの表情が映ったが深青は続ける。


「化学室はたぶん、正木くんではなく別の人を狙って呪法をかけたんだと思う。でも、植木鉢は正木くんを狙ってた。もしかして…………」


深青は自分で言いながら、何か思いもかけない何かが頭に入った気がした。


「どうしたの? 深青?」


優奈の声が耳に入るが、深青は今、一瞬浮かんだ何かを思い出そうと考え込む。


「………ごめん。今、何か………」




< 95 / 190 >

この作品をシェア

pagetop