永遠の約束(深青編-序章-)
大也とみゆきはその光景に目を奪われる。
思いもよらない光景。
そして、大也の記憶に深く刻まれた意味をみゆきは納得する。
こんな姿を見れば誰だって気になるに決まっている。
不安は安心へと変わるがそれとは別の意味でまた大きな想いがみゆきを襲う。
目の前にいる深青はいつもとはまるで別人のように美しく、同じ女性であるみゆきでさえもときめくほどだ。
こんな女性を前に異性である大也は何も感じずにはいられないのではないか。
「初(うい)!」
紫色の目で深青はりりしく声を上げる。
声を発したと同時に深青の目の前に光り輝く小さな鳥が現れた。
「うわー、久しぶりぃ。初に会うのも」
大也とみゆきは突然現れた物体に驚いて声も出せないほど固まっていたのだが、優奈は慣れているのか全く動じず空中を飛んでいる鳥に触れようと手を近づける。
「て……、手品?」
全くもって今目の前で何が起こっているのかみゆきには理解できない。
それは大也も同じだった。
ただ、前で起こっていることが夢ではないのだと思うことに集中した。
「違う、違う。これは式っていって、まあ、私の分身のようなものなの。力もあるし、いざってときには頼りになるんだから」
「へえ、そうなんだ」
不思議そうにみゆきは初を凝視する。
みゆきが見る限りではただの鳥にしか見えないのだが………。