月夜の訪問者
「いえ、今日は私、休日ですので」

適当にあしらう
厠に連れてって奥様にでも見られたら大変だ
というか、この状況もヤバイ
早くどっか行って欲しい

「随分と冷たい女中だな
俺の顔みりゃ大体の女は悲鳴を上げるんだがな」

と、顔を近付けてくる男

「何ですか?」

私の頭に手を回す

「暗くてよく見えんだろう、これなら見えるな
ほら叫べ」

と男、頭のおかしい人なんだろうか

「解りました警備員を呼んで来ましょう」

離してくれと相手を睨む

男もムッとした顔をし

「おもしろい女だ、つまらないパーティーだとおもったが
俺は雅だ、忘れる訳ないな」

と、言って私から離れて走り出す雅と言う男

「ちょ!そっちは塀が」
「また来る」

雅は、そう言い残すと壁を飛び越えて去って行った。

何なの?この壁二メートルは有るのに
何者?

ってか

「厠、大丈夫なのかしら?」

変な人…

「ちょと友理こっちに男の人来なかった?」

名前を呼ばれ振り向く

「姉さん…あっえーと来ませんでしたけど」

慌てて誤魔化す
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