月夜の訪問者
「そう、雅様ったら何処行っちゃたの。結婚なんて雅様しか考えられないのに」
と、姉さん

やっぱり姉さんの婿候補の人だったのね
あんな傲慢な人のお世話までしなきゃならないかと思うとゾッとする

「友理!勝手に外出てるんじゃないわよ
早く中に入りなさい」

と、姉さんに叱られ中に入る私

「美雪?雅さんは見つかった?」

奥様の声

「何処にも居ないわ」

と、姉さん

「おかしいわね正門からは出てってないって警備員が言ってるし…」

「諦めないわ!今日はお開きにしましょ雅様が居ないなら意味無いもの」

と何や話しながら母家へ帰って行く二人

そんなに良い男だったかしら

確かに背は高く、凛々しい眉に鋭い流し目、整った唇
悪い顔じゃ無いけど

性格が悪そうだわ

そうよ男は性格よ!

ったて男なんて警備員の人ぐらいしか知らないけど

また来るって…
また来たって私とは会えないし
別に会いたくなんか無いけど


あーもうとにかくイライラする男だったわ

もう寝よう!それが一番よ

「友理!何してるの片付けぐらい手伝ったら!!」

と、寝ようとしてる所に呼びに来たのは、女中の長だ。
< 4 / 82 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop