月夜の訪問者
「今日もご機嫌ナナメか?お姫様」
と、雅に声を掛けられた。
「別に…夢見が悪くて
あんまり眠れなかったの」
フワァと欠伸をしてしまう。
何か、怖い夢だったけど…
内容は忘れてしまったわ
「大丈夫か?」
と、雅
額に手を当てられた。
「風邪とか病気じゃないわ
心配しないで」
手を払い退ける。
思った以上に、雅が心配そうな顔を私に向けたので、驚いた。
「今日はここまでだ。大人しく寝ろ」
雅は立ち上がり、私の手を引く
「嫌よ、勉強したい」
勉強できる時間も、後3日だけなんだから
「我が儘言うんじゃない!勉強より体が大事だろ
勉強ならいつでも教えてやるから」
雅に『なっ』と、だだっ子を諭すように言われてしまい
「…うん」
ちょと考え、仕方なく雅の手を取った。
立ち上がるが、思った以上に平気では無かったらしく、ふらっと雅に倒れ込んでしまった
「全然大事じゃないじゃないかっ」
雅に呆れた様に言われてしまい、ムッとなるが
言い返す言葉もない。
顔を上げられずに、うつ向く