月夜の訪問者
「何!呪いを掛けられてるだと!?」
思わぬ柳の話しに、怒鳴る雅
「シっ、声が大きい!犯人はここのメイドとかかもしれないし
他の人に聞かれたら混乱を招くぞ」
柳の言葉にハッと、口を押さえる雅
「で、誰なんだ!!
友理にそんなもん掛けてる性悪女は?」
努めて小声にし、聞き返す。
「そこまでは解らないね。
専門家でも解らないじゃないか?
まぁ、お前の事狙ってた女は山ほど居たしな」
雅の肩に手を置く柳
「そうなのか…」
ッチ
雅は舌打ちする。
「まあ、何かと気にかけてやれよ」
と、柳は門を抜けて帰って行った。
あっ、先生帰って行ったわ
けっこう長かったけど、何の話しだったのかしら…
あっ
振り向いた雅と目が合う。
どうして…
どうして、そんな不安そうな顔をしているの?
私は言い知れぬ不安を感じた。