月夜の訪問者
「喉、乾いただろ?水だ」

と、水の入ったコップを渡される。

それを飲み干して雅を見た。

心配そうに、私を見詰める瞳と重なる。

「ずっと居てくれたのね
和泉に任せたら良いのに…」

フッと
時計を見れば、もう2時を回っている。
眠たいだろうに…

「ああ、そう申し出た和泉を断った
なんだ?俺じゃ不満なのか?」

ムッとする雅
別にそうじゃないが

「そうね、私も女性な訳だし
男性が隣に居たら、不安で眠れやしないわ」

フィっと、寝返りをうって雅から目線を反らす。
私のせいで、雅まで寝不足にしたくない。

「ほお、意外だな
俺を異性だと認識してた訳だ…」

「あら?女性だったのかしら」

雅のセリフに言い返す。

「いや、身の危険を感じるって事は、そう意識してるって事だ。」

と、ベットに片膝を上げ、私の顔の前に手を置く雅。

「何を言って…」

振り返れば、思ったより雅の顔が近くて、驚く。

「もしかして期待してるのか?」

なんて、耳元で囁かれ
私の唇に近づく雅の唇

私は、思わず目を瞑った。
口付けされる!?

ドキドキ

高鳴る鼓動

どうしょう…
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