月夜の訪問者



「なるほど、雪子とその母、麗香
知らない女どもに襲われる夢か…」

腕組みし、何かを考えてる様な雅

「そんな真剣にならないでよ
ただの夢よ?」

おかしな人
ただの夢なのに、どうしたというのだろうか


「いやっ…解った」

雅は、何やら考え込んでいる様で
ただその一言を言い、近くに有った椅子に腰かける。

「ああ、多分何もしないから寝ろ」

と、就寝を促す雅

「多分って何よ」

それじゃあ反って眠れないじゃない!

「まぁ、何かされても文句は言うなよ
和泉を呼ぶなと言ったのは、お前だからな」

さも、何かしちゃてもお前のせいだから
俺は不可抗力ですから
と、でも言うような雅

しかし『出てけって』って言って、出て行く様な人ではないし

大体、なんだかんだ言っても、寝てる女性に何かするような人じゃ無い事は解っている。
寧ろ

意外と純粋な所が有ったりするのよね…

多分、弱味を見せるのが嫌で悪ぶっちゃう人なんだわ。

雅から表情が見えない様に、再び寝返りを打つ



それに…

私、雅に居て欲しいと思ってる

夢が怖いとか、不安とか、色々有るけど

違う気がする。

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