月夜の訪問者
私を私と勝手に賭けて勝ったから俺の物になれ?

子供の言い分じゃない!

「友理?そんな所で何をしてるの?」

同室の女中に呼ばれハッと振り向く

「あっ、ちょと月が綺麗でフラフラと」

苦笑する

「そう、いい加減に靴ぐらい履きなさいね」

と、言われ足下を見る
そうだ
突然引っ張られたもんだから裸足で出ちゃたんだ

「あはは寝惚けちゃて」

と誤魔化す
同室の女中は不信そうな顔をし

「早く寝なさいね」

と、言い残し布団に入って行った。

雅のせいで恥じかいたわ
なんて事してくれんのよ

悪の元凶ね

アイツのせいで姉さんの機嫌は悪いし
どうしてくれんのよ
皆アイツのせいだわ

私はイライラしつつ足を井戸水で洗い部屋に入った。

『またこんな月夜の夜に』
って曖昧過ぎるのよ!

やっ別に会いたい訳じゃないだから

寝よう!
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