ダーツのススメ! ~あなたの心を射止めます!~
 

「…これと、これを合わせただけ?」


「―――当たり。簡単だろ?」


「!!」


急に現れた真弥さんの姿に、私は驚く。


「急に背後に立つのやめてよ…ビックリするじゃん」


ドキドキするし、心臓に悪い。


「それはおまえの注意力の問題だ」


「集中してんの!」


「そ。」


その瞬間、後頭部をポンと軽く叩かれる。


「!なにすんのっ!」


「やっぱり注意力ねぇな。おもしれ」


わしわしと撫でられる頭。


私は真弥さんのことを見上げた。


「なに」


「………」


気のせいかな…。


………真弥さんの表情が柔らかい気がするの。


胸が、ほんの少し締め付けられる感覚。


やっぱり最近の私はおかしい。


……………その手を拒否できないことも。

 
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