ダーツのススメ! ~あなたの心を射止めます!~
私は一人、ダーツをしながらも、周りを気にしていた。
店員さんが近くを通るたびに、ついチラチラと見てしまう。
「――あれ?」
聞き慣れた声が私の耳に入ってきた。
私の身体はビクンとする。
そして、声の方を振り向く。
「さっちゃんじゃん!久しぶりじゃない?あ、試験やっと終わったんだね!でも、こんな時間に来るなんて珍しいね?」
「…和希さん、こんばんは。ちょっと投げたくなっちゃって、来ちゃいました」
いつも通り振る舞う。
「そうなんだ?試験どうだった?」
「何とかクリアできましたよー!」
私はピースサインを和希さんに向けた。