ダーツのススメ! ~あなたの心を射止めます!~
すぐに、真弥さんは私に声を掛けてきた男の人に目線を移す。
「お客さま?こんなちんちくりんな女なんか相手にしなくても、もっといい女落とせる投げ方、教えますよ?」
にっこりと笑って、さらっと酷いことを言う。
――ちんちくりん!?
「ちょ……むっ!?」
ちんちくりんとか、ひどくない!?…って反論しようとしたのに、私の口は真弥さんの手によって塞がれた。
その大きな手の温もりに、また心臓が跳ねた。
待ってよ、何でこんなにドキドキするの…!
「え?あ、はぁ…」
その男の人は、真弥さんからの突然の提案に戸惑っている。
「あちらのお友だちも一緒にどうですか?」
「そ、そうですね」
真弥さんの手が私から離れ、『さ、こちらへ』と男の人を促す。
男の人は私のことを気にしつつも、真弥さんに促されるままに、お友だちらしき人たちがいるテーブルに向かっていった。