ダーツのススメ! ~あなたの心を射止めます!~
ぐいっと引っ張られ、水道台に向かって歩き出す。
みんなの視線が私たち二人に注がれる。
私は真弥さんの唐突な行動と、みんなの視線に戸惑いながらも、ついていくだけだ。
真弥さんは蛇口を捻り、出てくる水に私の手を差し出す。
ズキンっと痛みが走った。
「いっ…」
「――すぐに冷やさねぇからだ。痕残ったらどうするんだよ。…ほんと、おまえは…」
「……?」
言葉の途中で口をつぐんでしまった真弥さんの顔を恐る恐る見上げる。
――目が合う。
「…………心配かけるなよ」
「―――!?」
思わぬ言葉に、私は言葉を失った。