ダーツのススメ! ~あなたの心を射止めます!~
 

「右手、大丈夫か?」


「!うんっ、大丈夫っ」


私は真弥さんに見えるように、右手を目の高さまで上げる。


「痕、残らないといいけど」


「…うん」


この前と同じ。


…ここは大学じゃないのに、真弥さんの優しい目がある。


何だか嬉しくて、涙が出てきた。


涙に気付かれないように、目を少し伏せた。

 
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