ダーツのススメ! ~あなたの心を射止めます!~
真弥さんの手が、服を掴んでいた私の手に触れる。
「……知りたい?」
「―――!」
真弥さんはふっと口の端を上げた。
「最初は生意気なガキ、くらいしか思ってなかったのに…いつの間にか火曜の昼が楽しくなってた。わざわざ開店前の店に入れるくらい。……意味、わかる?」
「―――…」
……何それ。
初めて聞く…。
「ぷ。真っ赤だし。おもしれぇ」
「あ、あんたのせいでしょ!?」
私は慌てて、火照る顔を空いている方の手で覆う。
「邪魔。」
そう言って、真弥さんは私の手を顔から離す。
――邪魔、って…意味わかんないけど。