ダーツのススメ! ~あなたの心を射止めます!~
「…おー珍しい。」
カウンターの方を見ながら、和希さんが呟いた。
意味深な言葉に聞こえて、つい聞き返す。
「珍しい…って?」
「あ、いや。こっちの話だよ。さっちゃん、今日は一人なの?」
――話変えられちゃった…。
あんなやつのことなんて、どうでもいいけどさ。
「はい。時間空いてたのと、この前来た時……ダーツがおもしろかったので」
さすがに、和希さんに会いに来たとは言えない。
「あ、そうなんだ?ありがとうね。お客さん全然いなくて拍子抜けしたでしょ?昼はやっぱね。でも投げ放題だし楽しんでね」
「はいっ」
こんな風に直接和希さんと話せるなんて、思いきって来て良かった。