ダーツのススメ! ~あなたの心を射止めます!~
私はダーツを握り、構える。
二人の視線を感じて、緊張で手が震える。
「…おい。力抜けよ」
耳に入ってきた真弥さんの冷静な声に、何故か安心して、緊張がどこかに行ってしまった。
身体からスッと無駄な力が抜けるのを感じる。
何これ…?
変なの…。
―――1投目。
――トン!
「あ~…さっちゃん惜しい!」
1センチ、真ん中から離れて刺さるダーツ。
ダメか…。
でも、まだあと2投あるし、まだまだ行ける。
何で当たらなかったのか反省して……
よし、次は当てる。
深呼吸をして、2投目を投げる。
―――トン!
「!」
あ、当たった!?