ダーツのススメ! ~あなたの心を射止めます!~
◇ ご褒美だ。
―――…
「あー楽。」
「…………。」
その声を無視して、私はモップをかける。
声の主、真弥さんはカウンター席に肘をついてお店の中を見渡していた。
そして、私に指図する。
「あ、入り口の外も掃除しとけよ?」
「あーもう、うるっさい!引っ込んでてよ!」
自分で蒔いた種とは言え、偉そうな真弥さんの態度にイライラする。
こんなことになるなんて…悔しい…!
結局、ラスト1投は真ん中から遥か遠くに当たり、私は撃沈した。
で、約束通り、おとなしく掃除中ってわけだ。