ダーツのススメ! ~あなたの心を射止めます!~
 

――コトン。


「飲め。」


私の目の前にグラスが置かれる。


「え?いいの?」


「ご褒美だ。お前にもできることあったんだな?」


できることって…掃除のこと?


何かバカにされてるみたいで、ムッとしてしまう。


「掃除くらい…っ」


できるし!


…って言おうとしたけど、やめた。


「何」


真弥さんは怪訝な顔をしてる。


「…何でもない」


…ここは素直に受け取っておこう。


「…ありがとっ。喉渇いてたし嬉しい!」


私はストローに口をつける。


冷たいオレンジジュースが身体に染み渡る。


おいしー!


動いた後のジュースって最高だな!


私の頬は自然と緩んだ。


「………」


視線を感じて、真弥さんの顔を見る。


「何?」


「―――いや。」


ふいっと真弥さんは私から目を反らした。


「?」


何だよ、変なの。

 
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