ダーツのススメ! ~あなたの心を射止めます!~
「シン!…え?お二人さん、知り合い?」
店員さんは私と真弥さんを見比べる。
「まぁ…顔見知りではあるな」
うん。
まぁ、その程度の関係ですよね。
うんうん、と私は頷く。
「へー世間って狭いねぇ。ていうか、シン、いつの間に来てたんだよ。相変わらず気配消すの得意だよな」
「普通だろ?」
「普通じゃないって」
「ふ、じゃあ特技ってことにしておこうか」
くくく、と二人笑い合う姿を私は横から見ていた。
…仲がいいのかな。
心なしか、真弥さんの表情も柔らかい気がするから。
…いつもそうしてればいいのに。
余計なお世話って言われそうだけど。
「…ん?っていうか、シンがダーツをあげた?…もしかして、この子、シンの彼女か?」
店員さんの目が私を向く。
か、彼女!?
急に聞こえてきた単語に驚いた。
「ま、まさか!違いますっ」
私は咄嗟に否定していた。
冗談やめてよ!