ダーツのススメ! ~あなたの心を射止めます!~
 

「あーうるせぇ。おまえはもう黙っとけ」


真弥さんの手が私の頭に伸びてきて、ぐしゃぐしゃと撫で回した。


「わ、ちょっ!何すんの!」


「バーカ」


ツンと私から目線を外し、真弥さんは店員さんに話し掛ける。


「そんなどうでもいいことより、こっち。いいか?」


「あ、あぁ」


真弥さんは店員さんを導いて、私から離れていく。


その表情は真剣で、楽しそうだった。


…なーんだ。


彼女いないんだ。


ちょっとホッとした。


………。


――待って、何でホッとすんの…?


同類だから、だよね。


だって、こんなムカつくヤツに彼女いて、私にはいないなんて悔しいし。


うん、そう。

 
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