初恋泥棒!
噂の男の子の告白
「さようなら~」
気の抜けた先生の挨拶で、放課後が始まった。
いつもの私ならここでビューンとドアに一直線なのですが…
今日は違う!!
そうです!
今日、私はずっと片想いしていた千疾知也くんに告白するのです!
千疾くんが動くまで待っていようと、座っている私に
「砕けたらウチにおいで。待ってるから」
と、しぃちゃん。
「しぃちゃーん…っ!頑張るから」
カンゲキ…。ホロリ
「砕けろぉ。ボロボロになるんだから、やめといたらー?」
なんて鬼畜なことを言うのは、こいつしかいない。
「あきら、ひど過ぎ。いいもん!あきらは応援してくんないんだ!」
「誰が応援するか、バカ!」
なっ…!!
私はあきらから目線を話し、チラッと千疾くんの方を見た。
………え
今…、目が合った…?
停止した私から、すぐに千疾くんは顔を背けたから
それを確認することはできなかった。