初恋泥棒!
千疾知也(ちはや ともや)
教室の一番後ろの隅っこの席に座り、いつも本を読んでる。
本を読んでないときは、寝てるか スポーツして遊んでるか。
どちらかしかない。
そんな千疾くんに恋したのは、高1の夏休み。
近くの図書館に宿題をしに毎日通っていたとき、千疾くんに出会った。
バカで集中力がなくて軽率な私を、叱りながらも宿題が終わるまで見てくれて
夏休みの間は、毎日一緒に帰っていた。
学校では見られないラフな千疾くん、かっこよかったなぁ~♪
「あんたほんと千疾が好きだね」
「うん!大好きだよ!初恋なんだから、本気ですっ」
きっと千疾くんに出会うために、私は今まで恋をしなかったんだわ!
機嫌良くしぃちゃんとあきらの前で口笛を吹く私に
「でも知ってるでしょ?噂」
「…どんな?」
能天気な私に、はぁとため息を披露しながら しぃちゃんは小声で話し出した。
私とあきらは、しぃちゃんに近寄って耳を傾ける。