終夜よすがら〜大好きな人を一晩中想う〜


あー、
朝がきちゃうから
厚手のカーテンをしっかりと閉めて
二人の夜を続けよう。


あなたの
優しい指が
私のクチビルを触れるから
もうこのまま
朝が来ないようにしちゃおう!

ねっ!



あなたに朝がきたことがバレないように
キスをするくらい近くに
私のクチビルをよせて
あなたに息をふきかけてみた。



あなたは
私との時間を終わらせるように
キスをしてくれた。



こんなに時間に
キスはやめて
帰したくなくなるから…



外が明るくなってきた


厚手のカーテン越しでもわかる。


あなたとは
ずっと一緒にいられない。


使い古したカバンのように私を簡単に捨てて


もう会わない!
心にちかっても
会いたくてたまらなくなるから…。




「 またね! 」




あなたはドアを開け
ふりかえり微笑むけれど


私も笑って手をあげた。




ドアが閉まる音
私の心にカギがかかる音に聞こえた。



ずっと好き…

好きなの…

好きだった…

好きすぎた。



そんな言葉では足りないくらいに


好きでした。





end




< 107 / 120 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop