終夜よすがら〜大好きな人を一晩中想う〜
明日羽は、
私の斜め後ろの席に座っていた。


「 これって
出席番号順みたいだね。
だから、私前なのか! 」


四月生まれの
美森は一番前になっていた。

私と明日羽は
ポカポカの窓側に…
これって私寝ちゃってもいいですか?
と聞きたくなるくらいだった。


隣の席の男子は
空がない!って人だった。

「 朝、校門のところで会ったよね?
私、紅梅空奈です。
よろしくね! 」


空がない!人が
へっ?って顔されちゃったから…
あれ?
私なんか…どうしたらいい?って思っていたら


「 紅梅が男子をナンパしてるぞ! 」


前の席に座ってる
千草がうるさいから下からイスを蹴ってあげました。


「 ナンパじゃないわ!
自己紹介して何が悪いの? 」


空がない!人は、
顔を真っ赤にして笑っていた。


「 オレは二藍乙稀です。
よろしく。
えっと…。 」


「 あっ、紅梅って言いづらかったら…
空奈って呼んでいいからね。 」


「 じゃぁ、遠慮なく。
空奈、よろしくね!
オレも乙稀って呼んでくれ。 」


「 あっ、
このうるさいのが千草泰成っていう名前らしいよ。 」


「 泰成です!
紅梅、オレも空奈って呼んでいい? 」


「 いいわけないじゃん!
なんてね、いいよ!
泰成って呼んでみようか?
明日羽、
みんなで名前で呼ぶことにしたけど…
千草はかえなくていいよね? 」


「 千草は、そのままでしょ?
私は 藤明日羽です。
仲間にいれてん! 」
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