終夜よすがら〜大好きな人を一晩中想う〜
四人でガヤガヤしていたら、
美森が私たちのことを冷たい目で見ていたことに
私も明日羽も気がつかないでいた。


校庭に移動するように放送が流れて
そのまま四人で会話しながら校庭に…

いつも私に腕をからめている美森が
私のうしろにいることを…なんか不思議に思っていたら…



ドン!



何かに押されたのか?
私の体が浮いた。

あっ、
私このまま落ちると思った時
私の左腕をつかんでくれた人がいた。

それが誰か
わからないまま…
私は…。



私が目をさました時は
知らない天井があった。


「 私…
どうしたの? 」


私の手を握っていた明日羽。
私に抱きついてきた。
明日羽の頬には涙の流れたあとがあった。


「 よかったあ!
空奈、階段から落ちたんだよ。
でも乙稀が守るように空奈の下に落ちたから…。 」


「 乙稀は?
今どうしてるの? 」


千草が部屋に入ってきた。


「 空奈、目が覚めたんだ。
よかった!
乙稀は大丈夫だよ。
今あいつ頑張ってるから…。 」


その言葉の深い意味があるとは知らずに
私は三日後に退院することになった。


私は、
乙稀がどこに居るか知らなかった。
千草が集中治療室にいると教えてくれた。


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