終夜よすがら〜大好きな人を一晩中想う〜
今日も乙稀のところにきている。


「 乙稀ってよくみるとカッコイイね。
顔もあまり見てなかったからわからなかったけど…
歩けるようになったら乙稀とデートしたいなぁ。 」


「 空奈、本当? 」


えっ?
今、乙稀の声がした。

目をゆっくり開けて私を見ている。


「 乙稀? 」


名前を言うだけで、
それ以上言葉がでない。


「 ごめんね、空奈。
毎日来てくれてたんだって?
ありがとう!
オレ、カッコ悪くない?
空奈を守れたかな? 」


私は乙稀の手をにぎり
めいっぱいの笑顔で乙稀を見つめて


「 ちゃんと守ってくれたよ。
私こそ、ありがとう! 」


「 オレ…
リハビリ頑張るから…
デートしてくれるの? 」


「 もちろん! 」


「 こんなところで
言うのもなんだけど…。
オレは空奈に一目惚れしてるんだよね…。 」


私はビックリしてイスから落ちた。


「 マジ? 」


「 マジ! 」


二人して大笑いした。


「 空奈って、
よく落ちるねぇ…。 」


その直後
千草と明日羽がきた。
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