終夜よすがら〜大好きな人を一晩中想う〜
つきあいだして
初めての冬なんだよ。

それなのに…

でも開智くんの
このかわいらしさに毎回負けてしまうんだよね。

いつもそれ以上追求できないでいた。


冷たい開智くんの手を
私の両手で包んであげて、あっためてあげて

きっと開智くんは
遅刻したことも
これで許してしまったことになってしまうんだろうなぁ。


「 いつも手が冷たいっていうから、
この前プレゼントした手袋は今日してこなかったの? 」


開智くんの顔色がかわったけど


「 だって育望と一緒の時に
手をあったかくしてたら
手を繋いでくれないかもしれないじゃん。
ボクは育望と手を繋ぎたいもん。 」


さっきの一瞬かわった顔色が
いつもの開智くんになっていて
にっこり私に微笑みをくれた。


こんなかわいい開智くんがいてくれたら、
私はなんでもできそうな気がする。

開智くんにとっても
私がそんな存在になってくれてるといいけど…。

私と開智くんが一緒に過ごすこの一瞬を
ずっとずっと忘れないでいたいと心から思った。



「 育望、お腹空いたよ。
何食べる?
寒いからどこかに入ろうよ。 」


私の手を繋いだまま走り出した。

今日は新しいブーツなんだから走りたくないのにぃ。

でも、
開智くんとなら何しても楽しいからいいね。
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