終夜よすがら〜大好きな人を一晩中想う〜
私の中にある時計は…
そろそろ止まるみたい。


いつも、


「 そろそろ…? 」


と聞く私に笑っていてくれた担当医が
口に出したくないって顔して


「 あと…
一年かな…。 」


と伝えてきた。

そうきたかぁ…
私は微笑むしかないじゃん。
微笑んだまま


「 あと一年もあるのなら
自宅にいたいです。 」


私の言葉に
ちょっとだけ微笑んでくれた。



< あと 一年…。 >


そんなこと誰に伝えたらいいか、
わからない。


私の大切なあなたには
一番伝えたくない!

あなたと絶対に
離れないって約束したのに…。


< あと 一年…。 >


今の私に出来るのは
あなたに私の笑顔を
いっぱい見せたい。


あなたと食事をする

二人の大好きなのを
いっぱい食べようよ。


あなたとドライブする

カーナビに頼らないで
二人で行きたいとこ行こ。


これからの私の時間
みんな
みんなあなたとの時間にしていきたいもん。

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