終夜よすがら〜大好きな人を一晩中想う〜
「 ねぇ、
純希を忘れないって
いつも一緒にいるって
でもね
前を向いてたら…
純希を忘れている時があることがね、
わかったの…
ごめんね。 」
純希が大好きだった海
純希がいる海
私は悩みごとがあると相談にきていた
波の音が
風の音が
いつも私に勇気をくれていた。
「 そうだ私
びっくりしないでよ
ちゃんと美容師になれたんだよ。
やればさぁ
こんな私でも出来るんだね。
びっくりしないで!
とか言ってるけど
自分でも驚いているけどね。
さてファッション雑誌買って
勉強しなきゃね
今日は帰るね、またくるよ。 」
今日も純希に会えた
本当は毎日会いに来たいけど…
休日しか来れなくてごめんね。
心で伝えていたら
「 毎日会いに来れなくて…ごめん。
愛蓮…
離れてても心はずっと一緒だからな! 」
私と同じ気持ちで
海にきている人は大勢いると思う。
けど…
私が心で思っていた言葉を同じ時間に伝えている人がいる。
だから
私は声をかけずにはいられなかった。
「 あの…
聞こえちゃったんですが
愛蓮さんって彼女さんですか? 」
私の言葉に男性は
びっくりしたのか肩をビクッとした
「 そうですけど…
なんですか? 」