終夜よすがら〜大好きな人を一晩中想う〜
開けっ放しなドア。
お店にいない私。

店長は三人のやり取りをみていたと思う。
だから、わかったうえで。


「 大丈夫? 」


肩に手をのせて声をかけてくれた。

その手のぬくもりと
その言葉で涙があふれた。

私、泣けるじゃん。
こんなに涙が流れるじゃん。


店長に大好きなチーズケーキをいただいて、
泣きながら食べていた。
私の涙って止まることがあるのか?ってくらい泣いていた。




自分の家まで
どうやって帰ったのか覚えていない。


ただママの顔をみたら、
また涙があふれた。

ママにしがみついて
かなりの時間泣いていた。


ママは何かを知ってるのか?

それとも
あえて聞かないのか?

わからないが
ずっと頭を撫でていた。

何も聞いてこないママの優しさが嬉しかった。


一人になりたくなかった。
ママのそばを離れなかった。


一人になったら
自分が何をしだすか
自分でわからなかったから…
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