終夜よすがら〜大好きな人を一晩中想う〜

月曜日の朝

一時間早く最寄り駅にきて
このカフェでコーヒーを飲んでいる。


月曜日という
このありえないくらいのダルさ
へなちょこな自分に気合いを入れるためにね。


慌ただしく人が行き交うのを
ゆったりとした気持ちで見ている。

あと40分くらいで
自分もあの波に乗らなきゃいけないことを
スッカリ忘れているのか?
ってくらいに
自分の気持ちが穏やかになっていた。



「 あの…
となりに座っていいですか? 」



遠くに声が聞こえた気がしたが
自分の世界にドップリ入っていた私は
自分へかけられた言葉だと思っていなかった。



「 あの…。 」



肩をたたかれて
その声が私への言葉だと気がついたくらいで
恥ずかしい…。



「 となりいいですか? 」



私はまわりをキョロキョロして
ここしか席が空いてないことがわかった。



「 すみません…
どうぞ。 」



申し訳なかった気持ちで
相手に満面な笑みで伝えた。


この男性は
私のことを不思議そうな顔をして見ていたけど

それより窓下を通りすぎていく
快速列車の姿に
私の心は奪われていた。



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