Love of space 1
でも俺は…
『それで事実なんですか…?』
零が好きだから…
『それは…事実じゃありません』
だからきっぱり言い切った俺。
『そうですか…。
その言葉を信じましょう
でもあまり1人の生徒と
仲良くなさるのは遠慮していただきたい
今回みたいな勘違いが起こることもありますので』
あっさり引き下がる教頭。
『はい。分かりました』
絶対にまだ怪しんでるよな…
そう思いながら俺は校長室を出ようと足を動かした。
『あっ朝倉先生。
いいですか?覚えておいてください
もし今後…『西城!!』
そのとき廊下のほうから零の名前を呼ぶ声が聞こえた気がした。
『もし今後こういうことが私の耳に入れば
そのときは朝倉先生が否定しようとも、
先生にも西城零にも処分を与えます。』
俺は一度止めた足をまた動かす。
『失礼しました。』
校長室を出ると一気に気が緩む。
『朝倉先生。』
俺の名前を呼んだのは伊藤先生。
『はい…?なんですか??』
首を傾げると伊藤先生は
『もう自分からは手を離すべきではありません。
先生は1人じゃありませんから。
何か困ったことがあれば、いつでも相談してくださいね』
と、意味の分からないことを言った。
”もう自分から手を離すべきではない”
っていうのは零のことだろう…
でも…どうして…いきなり??
まさか…伊藤先生はさっきの会話を聞いていたのか??