Love of space 1
俺はどうすることもできなくて涙を流しながら車を走らせた。
目的地なんてなくてただ車を飛ばした。
【プルルルル】
海辺まで走らせ車を止めると丁度鳴った携帯。
そんな携帯をほって置いてタバコの自販機へ歩く。
実は俺は昔、タバコを吸っていた時期があった。
今、無償に吸いたくなった。
多分…気持ちが不安定だからだな…
俺、こういうの弱いから。
車からはラジオが流れている。
俺はタバコを吹かしながら海を見つめていた。
【プルルルル】
また鳴り始めた携帯。
なかなか鳴り止まない。
俺は観念して電話に出た。
『はい。』
俺は泣いているのを気づかれないような声で喋る。
『よっ!秋平か??』
この声は………
『なんだよ…裕司か。』
ちょっとだけ裕司と分かって落ち込んだ。
もしかしたら零からの電話で、
やり直そうと言われるのを期待していた俺。
でも裕司で安心した。
『あーっお前親友に向かってそんな冷たい言い方ねぇだろーが』
『うるせーよ。』
なんて言いながら俺はずっと海を見つめている。