Love of space 1
俺は帰ろうと思い車に手をかけたが、その手を引っ込めた。
なんだか…まだ帰りたくない気分だ。
車の中に置いてあった1枚のCD。
俺はそれを手に取り曲を流した。
何が入っているか分からなかった。
テンポのいい曲だったら…元気になれる。
俺はそう信じて1曲目が始まるのを待った。
なのに…それなのに…スピーカーから流れてきたのは…
『…………バラードかよ…。』
バラードの曲。
しかも失恋がテーマ…
神様…意地悪過ぎねぇか??
~♪~♪~
あのとき僕が止めていたら
キミは僕の傍に居てくれたか??
どうしてキミはいなくなった…?
僕はまだキミを想っているのに…
~♪~♪~
こんな歌詞を聴いた俺はまた涙が溢れた。
今の俺にぴったりじゃないか…
どうすれば…俺は…どうすればいいんだ…?
俺は静かに立ち上がり車に乗り込んだ。
そしてシートを倒し、天井についている窓を開ける。
『………やべぇ…キレイだ』
夜空には無数の星。
なんでこんなにも星はキレイなんだ…??
星と俺とではものすごく離れているのに…
どうしてこんなにもキレイに見える??
そんなことを考えていた俺は自然に目を閉じた。